【肩甲帯】筋膜リリースの為の『筋肉の作用と関節運動』【読む‐機能解剖学④】

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こんにちは♪

筋膜リリースとIASTMの資格発行を行っている「日本IASTM協会」です♪

 

このブログでは、筋膜リリースで肩こりや腰痛に対して改善を目指す場合、とても重要な部位である【肩甲帯】について学んでゆきます。

肩甲帯とは、「肩甲骨まわり」と理解して頂ければよいです。正確には、肩甲骨、鎖骨、上腕骨の近位部、胸骨によって構成されている部位を指します。

このブログ内では、肩甲骨に関連する関節、肩甲骨の動き、肩甲骨に付着する筋肉に対する説明をおこなっております。

現在文字だけとなっており、理解しづらいと思うのですが、今後少しづつ画像を付けたしアップデートしてゆきます♬

それでは、お楽しみください♪

 

〇肩甲帯

骨格
肩甲骨と鎖骨の2つの骨が肩甲帯を構成しま す。 また、これら2つの骨は別々ではなく、 般的に1つのユニットとして動きます。 骨によ る軸骨格への唯一の連絡は、鎖骨が胸骨と関節 を形成するところだけです。

〇関節
肩甲帯の動きを理解するには、胸鎖関節では 動きが大きく、反対に肩鎖関節では動きが小さ いために、肩甲骨は胸郭の上を動くことに注目 する必要があります。

胸鎖関節
胸鎖関節は滑走関節で、 肩甲帯の外転と内転 に伴いそれぞれ 15°前後方に動きます。 また肩 甲帯の挙上に伴って45° 上方に、 下制に伴って 5°下方に動きます。 関節は前方では前胸鎖靭帯 に、後方では後胸鎖靭帯により支持されていま す。 さらには、 肋鎖靭帯と鎖骨間帯によって 鎖骨が上方へずれないように支持されています。

肩鎖関節
肩鎖関節は滑走関節で、肩甲帯や肩関節の動 きに伴って20~30° 滑りながら回旋します。 帯結合による連結と分類される烏口鎖骨靭帯 ( 菱形靱帯と円錐靭帯) による強靭な支持に加 えて、上肩鎖靱帯と下肩鎖靱帯が、しばしば損 傷を受けやすいこの関節に安定性を与えていま す。

肩甲胸郭関節 (滑動部)
肩甲胸郭関節は関節包をもった関節ではなく、 その動きは胸鎖関節と肩鎖関節の動きに大きく 依存しています。 肩甲骨の動きは胸鎖関節と肩 鎖関節の動きに伴って生じるといえますが、実 際には肩甲骨が外転 内転で25°、上方回旋・ 下方回旋で 60%、 そして挙上・下制で55°動き ます。 この関節は滑膜性ではないのが特徴で、 肩甲胸郭関節は筋肉によって支持され、靱帯性 の支持はありません。


〇肩甲帯(肩甲骨) の動き 

はじめに、 肩甲帯の動きは肩甲骨の動きとし てとらえると理解しやすくなります。 いいかえ れば、 肩甲帯にある筋肉は肩甲骨を動かす筋肉 なのです。 また、 肩甲骨の動きを理解するには、 肩甲骨の下角、関節窩、そして肩峰などの骨格 上の目印に注目すると大変役立ちます。 さらに、 肩甲帯の動きの中心(軸)は鎖骨と胸骨が接し ている胸鎖関節であることも忘れないでくださ い。

外転 : 外転は肩甲骨が脊柱から外側へ向かって 離れる動き。

内転 内転は肩甲骨が脊柱の方向へ近づく動き。 下方回旋: 下方回旋では肩甲骨の下角が、内側と下方へ向かって同時に働きます。

上方回旋: 上方回旋では肩甲骨の下角が、外側 と上方へ向かって同時に動き、 関節窩も 上方へ動きます。

挙上:肩甲骨を引き上げる動きで、肩をすくめる動きが挙上になります。

下制 : いわゆる肩を引き下げる動きで、肩甲骨が下方に動きます。

肩甲骨と肩関節は上肢の動きに対応して(同 時に) 動きます。 肩関節と肩甲帯が連動するこ とによってはじめて、 腕の自由な動きが可能に なります。 ここでは、肩甲骨を動かす筋肉と肩 関節を動かす筋肉は異なっていることに注意す る必要があります。 しかし、肩甲帯の筋肉は肩 甲骨の安定性にとって不可欠で、それにより肩 関節の筋肉にしっかりとした土台ができ、 上腕 骨のパワフルな動きを生み出すことができるわ けです。したがって、 肩甲帯の筋肉は、いろい ろな肩関節の動きのために肩甲骨を比較的安定 した位置に維持するよう収縮します。 肩関節が より可動域の終末まで動くに伴い、 肩甲帯の筋 肉は、肩甲骨を動かすとともに上肢全体の可動域を増すために収縮します


〇筋肉

肩甲骨の動きには主に5つの筋肉が関与して います。 混乱を避けるために肩関節に関与する 筋肉を分けて考えた方がよいでしょう。 鎖骨下 筋もこの筋群に含まれますが、これは肩甲骨の どの動きにとっても主働筋ではありません。 5 つの筋肉の起始は脊柱もしくは肋骨にあり、 停 止は肩甲骨か鎖骨、 あるいはその両方にありま す。 肩甲帯の筋肉のいずれも上腕骨には付着し ていないので、これらの筋肉は肩関節の動きに は直接関与してはいません。 小胸筋 前鋸筋そ して鎖骨下筋は前方に位置し、 僧帽筋 菱形筋そして肩甲挙筋は後方に位置します。

肩甲帯の筋肉は肩甲骨の動的安定性にとって 不可欠で、投球やバッティングのような肩関節 の動きをサポートするために大切な役目をしています。

○肩甲骨の動きに関与する筋肉
(位置による分類)
前方
動き: 主に肩甲骨の外転と下制
筋肉:小胸筋、前鋸筋、鎖骨下筋

後方
動き:肩甲骨の内転と挙上内楽屋
筋肉:僧帽筋、菱形筋、肩甲举筋


●僧帽筋(そうぼうきん) 

起始
上部: 後頭骨と項靱帯
中部: 第7頚椎と第1~第3胸椎の棘突起 下部第4〜第12胸椎の棘突起 ( きょくとっき)

停 止
上部: 鎖骨の外側後面 1/3 中部:肩峰内側縁と肩甲棘上縁
下部:肩甲棘内端

機能
上部:肩甲骨の挙上、上方回旋、内転の補助
中部:肩甲骨の内転
下部:肩甲骨の下制、上方回旋、内転の補助

触診 頚から第12胸椎にかけての脊柱から肩甲骨 に及ぶ範囲で触れることができます。 神経支配

副神経 頚椎神経 (C3・4)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング 僧帽筋は上部、中部、下部に分けられます。
上部は薄くて比較的力が弱いので、首の動きに 関してはさほど重要ではなく、鎖骨の引き上げ (肩甲骨の挙上)と上方回旋に関与します。 中 部は厚くて力も強く、 肩甲骨を内転させます。 下部は肩甲骨を下制、上方回旋させます。 また、 上部、下部ともに肩甲骨の内転を補助します。
3つの部分の僧帽筋が一緒に働くと肩甲骨は 上方回旋と内転を同時にします。 僧帽筋の重要 な働きは、 三角筋の働きを助けるために肩甲骨 を安定させることであるともいえます。 僧帽筋 が肩甲骨を継続して上方回旋させることによっ てのみ、手を頭の上まで上げることができるの です。 また、この筋肉は重いものを持つときに、 肩甲骨が下へ引っ張られないようにする働きも します。 三角筋によって上腕骨が肩の高さで真横 (水平) に支持されるときに、 肩甲骨は僧帽筋によってしっかりと固定されます。この筋肉 は手で物を持ち上げたり、肩に物を担いで運ぶ ときにもよく働きます。

僧帽筋の上部を鍛えるためにはショルダー. シュラッグ(肩をすくめる動作) というエクサ サイズが最も効果的です。 次に中部と下部を鍛えるためにはベント・オーバー・ローイングや ベント・オーバーサイドレイズが効果的です。

僧帽筋をストレッチするには、3つの部分 れぞれについて行う必要があります。 上部は、 ストレッチする側と同じ側の手をテーブルの下 に引っかけ肩甲骨の下制を維持している間、反 対側の手で頭と首を屈曲または若干側屈させることによってストレッチされます。 中部は、上部の要領である程度ストレッチされますが、 パー トナーに完全外転位で引っ張ってもらい、 他動的に行うことでより一層ストレッチされます。 下部は側臥位で、パートナーが肩甲骨の外側縁 と下角を持ち、他動的に最大挙上や外転位に持っていくことによってストレッチできます。

●肩甲挙筋 (けんこうきょきん) 

起始
第1~第4頚椎の横突起 (おうとっき )

停止
肩甲骨上角と肩甲骨内側縁上部

機能
肩甲骨の挙上、肩甲骨の下方回旋

 

触診
この筋肉は僧帽筋の下にあるので僧帽筋上部線維を介して触診します。

神経支配
肩甲背神経 (C3・4・5)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

ショルダー・シュラッグ(肩をすくめる動作) では肩甲挙筋が僧帽筋と一緒に働きます。 逆に、 小胸筋によって肩甲骨が固定された場合、 左右 の肩甲挙筋が同時に働けば首が伸展(頭が後ろ へ傾く)し、左右どちらか一方の肩甲挙筋が働 けば首は左右のいずれかに側屈します。

肩甲挙筋は、 肩甲骨をリラックスさせる下制 位を維持しながら、頭をストレッチする側とは 反対側に約45°回旋させ、頚椎を自分で屈曲さ せることによって、最もよくストレッチできま す。

●菱形筋 (りょうけいきん) (大菱形筋・小菱形筋)

起始
第7頚椎と第1~第5胸椎の棘突起

停止
肩甲骨の内側縁

機能
大菱形筋と小菱形筋は一緒に働きます。

肩甲骨の内転 : 脊柱に向かって内側へ、かつ、わずかに上方へも引っ張られる動き

肩甲骨の下方回旋 : 肩甲骨を上方回旋の位置 から下方回旋させる動き

肩甲骨の挙上 : 肩甲骨の内転を伴う、わずかな上方への動き

触診
僧帽筋中部-下部線維の下にあるので触れるます。
肩関節を内旋させ、収縮する筋肉が菱形筋で、外旋させる事で収縮するのが、僧帽筋中部-下部線維となります。

神経支配
肩甲背神経 (C5)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

菱形筋は肩関節が外転するとき、すなわち腕 が外側に向かって動くときに、 肩甲骨を内転位 に保つ働きをします。この筋肉は懸垂のような 運動で特に力を発揮します。 鉄棒にぶら下がっ て腕をまっすぐに伸ばした状態では、肩甲骨は 最も上方回旋していますが、いったん懸垂を始 めれば、肩甲骨は菱形筋によって下方に回旋 (下方回旋)されつつ、 脊柱に向かって引っ張られます。
僧帽筋と菱形筋が一緒に働くと、肩甲骨はわ ずかに挙上しながら内転します。 この肩甲骨の わずかな挙上を防ぐためには、広背筋の働きが 必要となります。
懸垂やディッピングは菱形筋を鍛える大変よ いエクササイズです。 菱形筋をストレッチする ためには、肩甲骨を下制させたまま他動的に肩 甲骨を外転させます。 また、上方回旋させなが らストレッチをしても効果的です。


●前鋸筋(ぜんきょきん) 

起始
第1~第9肋骨の外側

停止
肩甲骨の内側縁前方

機能
・上部- 肩甲骨の下方回旋:前鋸筋の上半部は上角まで伸び、平坦な下部とは異なり厚い筋腹で、肩甲を下方回旋させる
・中部-肩甲骨の外転:肩甲骨の内側縁を脊柱から遠ざけるように引っ張る動き
・ 下部-肩甲骨の上方回旋: 前鋸筋のより下方の長い部分が肩甲骨の下角付近をさらに脊柱から遠ざけるように働くために、 肩甲骨はわずかに上方回旋する

触診
僧帽筋腋窩部の前面、第5-6肋骨より下の胸郭外側で触診できます。

神経支配
長胸神経 (C5・6・7)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

前鋸筋は野球のボールを投げたり、 バスケッ トボールをシュートしたり、アメリカンフット ボールでタックルするときに、 肩甲骨をわずか に上方回旋させながら外転させる働きをします。 特に投球時には、前鋸筋は大胸筋と一緒に働きます。

前鋸筋は腕立て伏せの、特に肘を伸ばす最後 の 5~10°のところでよく使われます。 ベンチ・ プレス (p.117) やオーバー・ヘッド・プレス はこの筋肉を鍛えるとてもよいエクササイズで す。 肩甲骨が後方に突き出る翼状肩甲骨は前鋸筋の機能が弱っている証拠です。

前鋸筋は部屋の角に向いて立ち、それぞれの手を肩の高さに上げ、2つの壁につけてストレッ チします。 鼻を壁のコーナーにつけるように上体を前傾させるにしたがい、肩甲骨は内転位にもっていかれ、前鋸筋がストレッチされます (ウォール・プッシュ・アップ)。

●小胸筋 (しょうきょうきん) 

起始
第3・第4・第5肋骨の前面

停止
肩甲骨の烏口突起

機能
・肩甲骨の外転: 肩甲骨の下角を浮き上がらせながら、 肩甲骨を外転させる動き

・肩甲骨の下方回旋 : 肩甲骨の外転に伴って下
方回旋させる動き

・肩甲骨の下制 : 肩甲骨が上方回旋するとき、 それに伴って肩甲骨を引き下げる動き

触診
大胸筋 に覆われているので表面からの触診は困難です。大胸筋の脇部分から烏口突起に向けて手を入れ、肩甲骨を力強く引き下げます。小胸筋が収縮するのを感じ、触診が可能です。

神経支配
内側胸筋神経 (C8、T1)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
小胸筋は回旋を生じさせずに肩甲骨を外転さ せるとき 前鋸筋と一緒に働きます。 この働き は特に腕立て伏せのような腕を前方に突き出す、 肩甲骨の外転だけを行う運動でみられます。 前鋸筋が肩甲骨を外転させながらもわずかに上方回旋させるのに対し、 小胸筋は肩甲骨を外転さ せながらわずかに下方回旋させます。 したがっ てこの2つの筋肉が同時に働くことで、上方回旋と下方回旋の2つの動きは相殺され、 結果として単純な肩甲骨の外転という動きだけが生じるわけです。

小胸筋はディッピングで体を上方へ押し上げるときのように、肩甲骨が上方回旋 位から下方回旋するとき、最もよく使われます。

前鋸筋のストレッチで使われたウォール・プッ シュアップは、小胸筋の柔軟性を向上させる のにも役立ちます。 また仰向けの状態 (背臥位) で丸めたタオルを直接、胸椎の下に入れ、パー トナーが左右の肩甲骨を内転位に押すことでも ストレッチできます。

●鎖骨下筋(さこつかきん)

起始
第1肋骨上面の肋軟骨接合部部

停止
鎖骨中央部下窩

機能
胸鎖関節の安定化と保護
肩甲骨の下制

触診
鎖骨を挙上させ、鎖骨内側2/1の部位に鎖骨下筋が存在するので、鎖骨の下にしっかり手を入れ触れます。

神経支配
C5.6の神経枝

機能解剖、筋力強化、ストレッチング

鎖骨下筋は鎖骨を胸骨に向けて下方に引きま す。 鎖骨と肩甲骨を下制するのを補助する働き に加えて、上肢の運動中 胸鎖関節を保護し安 定させる重要な役割をはたしています。 筋力で は、たとえばディッピングのような下制運動を 行うことで強化されます。 肩甲骨を過度に挙上すると、鎖骨下筋がストレッチされます。


○拮抗筋
肩甲骨と体幹の間には8つの筋連結が存在し、 肩甲骨の位置決定および肩甲骨運動の協調に重大な役割を担います。この8つの連結は拮抗する2つずつの筋群に区分され、拮抗筋と称されます。
一方の筋が収縮すると、もう一方の筋は弛緩できなければなりません。

肩甲挙筋と僧帽筋下部は、 挙上と下制で拮抗します。

前鋸筋上部および中部と僧帽筋中部は、外転と内転運動で拮抗します。

小胸筋と僧帽筋上部は、 肩甲骨の前下方と後上方への移動で拮抗します。

菱形筋と前鋸筋下部は、肩甲骨の上方と下方回旋運動で拮抗します。

こうした拮抗作用が平衡して、双方に減弱も 短縮傾向も見られなければ、 肩甲骨は胸郭上の至適位置にあり、上腕と肩甲帯の運動も協調されます。

筋群が減弱していると、過度の拮抗を処理できなくなります。 たとえば肩甲挙筋が過度 に緊張している場合は、まずその緊張を解消してから相対する筋を訓練するようにしましょう。

 

これらが肩甲帯に対する機能解剖学の全体像です。最初はとても複雑だと思うのですが、筋膜リリース資格講座を通してこれらの内容の復習してゆきますので大丈夫です(^^♪

生理学的、理論的に筋膜リリースをしっかり学びたい方、は是非「日本IASTM協会」の講座を取ってみてください♪

上記を何となく知っていただけることで、筋膜リリースの効果をより高める事が可能となります。
ご自身で身体を動かしながら、どこにその筋肉があるのかを練習してみると覚えやすいです♬
筋肉の位置や関節運動は暗記するものではなく、使っていくうちに段々と覚えていくものとなります♬
基礎講座であるIASTM資格セミナーでは、機能解剖学の説明をおこないながら実技が進んでゆく為、一日で全体像が覚えられますよ♪
「全て暗記してからでないとセミナー参加が不安」などと思わなくて大丈夫です♪
筋膜リリース上級講座内でも復習しますし、期間も約2か月で行なっていきますので、その2か月内でご自身の成長を楽しんで頂けると良いかと思います♫
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