舌骨筋群（ぜっこつきんぐん）【筋膜リリースの為の機能解剖学】

●顎二腹筋
位置
顎二腹筋は前頚部の舌骨の上方にあり、舌骨上筋群 の1つです。 この筋は全体が薄い広頚筋の深層にあります。

起始と停止
起始前腹は下顎骨の内側下縁、 後腹は側頭骨の乳 様突起

停止:舌骨。 ただし、直接に付着しているわけでは なく舌骨周囲の結合組織の輪を介して固定さ れています。

機能
舌骨の挙上、下顎骨の下制

機能の説明
前腹と後腹の起始はともに舌骨の停止よりも上方に あるので、二腹がともに舌骨を上方に引き上げること で舌骨の挙上が起こります。 また舌骨が固定されてい るときには、前腹が下顎骨を下に引き下げることで下 顎骨の下制が起こります。

注目すべき点
フォワードヘッド姿勢では顎二腹筋が引っ張られて しまい、そのために下顎骨が顎二腹筋によって引き下 げられます。

短縮や伸長による機能低下
短縮:舌骨の引き上げが生じます。
伸長:下顎骨を下制する機能が低下します。

ストレッチ方法
下顎骨の前方突出によって顎二腹筋の前腹がスト レッチされます。

共働筋
下顎骨の下制:広頚筋

拮抗筋
下顎骨の挙上: 内側翼突筋、 咬筋、 側頭筋

筋性疼痛による症状
喉の痛み、詰まり感、嚥下困難、 咳、 嗄声
歯の痛み、 歯茎の腫れ
唾液分泌、口内炎に関与
耳の症候に関与

関連する疾患
関節雑音
疼痛
など

●茎突舌骨筋
筋性疼痛による症状
喉の痛み、詰まり感、嚥下困難
咳、嗄声
歯の痛み、 歯茎の腫れ
唾液分泌、 口内炎に関与
耳の様々な症候

関連する疾患
硬化すると声を生成し難くなる

●顎舌骨筋
筋性疼痛による症状
喉の痛み、詰まり感、嚥下困難や、
嗄声
歯の痛み、 歯茎の腫れ 唾液分泌、 口内炎に関与
耳の症候に関与

関連する疾患
嚥下障害

●オトガイ舌骨筋
筋性疼痛による症状
喉の痛み、詰まり感、 嚥下困難
咳、嗄声
歯の痛み、歯茎の腫れ
唾液分泌、 口内炎に関与
耳の症候に関与

関連する疾患
喉の痛み、 詰まり感
嚥下障害
咳、嗄声
歯痛、 歯茎の腫れ
口内炎など

●肩甲舌骨筋
筋性疼痛による症状
喉の詰まり感、嚥下痛、咳など