
位置 この筋の名前の通り、胸腔と腹腔を隔てるところにあります。
起始と停止
起始: 第1~3腰椎の椎体、下位6本の肋骨と肋軟骨、
停止 : 腱中心 (横隔膜上面のドーム状の形状をして いる腱膜)
機能
吸気時の胸腔の拡張
機能の説明
横隔膜の筋肉部分が収縮すると、 元々ドーム状をし ている腱中心は引き下げられて平坦になるので、 胸腔 の容量が増大します。胸腔の容量が増して胸腔内圧が 下がるのに伴い、 肺胞圧が下がって空気が肺へ流入し ます。 このように横隔膜は主要な吸気筋です。
注目すべき点
横隔膜は薄く筋腱様の構造をしていて、 腹腔の天井 と胸腔の底を形成しています。 また横隔膜には食道、大動脈、 下大静脈の通る孔があります。 安静時呼吸は 横隔膜のみによってなされますが、より深く、強く吸 気をする際にはその他の筋も働きます。 さらに横隔膜 は随意筋であると同時に不随意筋でもあると考えられ ています。 すなわち、私たちは呼吸数を意識的にコン トロールすることもできますが、通常は中枢神経系か らの指令によって横隔膜は不随意に働いて無意識に呼吸を続けてい
短縮や伸長による機能低下
短縮 自然に十分な呼吸をすることが制限されます。
伸長 : 横隔膜は直接的な拮抗筋を持たないので、 骨 格筋に見られるような典型的な短縮と伸長に よる筋バランスの不均衡は当てはまりませ ん。 恐らく、 伸長して機能しづらくなった横 隔膜では十分な吸気が制限されるでしょう。 しかし、そのような状態は拮抗筋の過剰な短 縮による抑制の結果ではありません。
ストレッチ方法
完全に息を吐くようにして深呼吸します。
共働筋
外肋間筋、 上後鋸筋
拮抗筋
横隔膜の腱中心を引き上げる筋はありませんが、 内肋間筋、 下後鋸筋、 そして腹横筋は強制呼気を行う筋 であるので拮抗筋としてみなすことができます。