当協会が提唱する理論:なぜ、様々なテクニックが一つに繋がるのか
「PRI®︎もDNSも学んだ。SFMA®︎もNKT®︎も知っている。しかし、臨床現場でどのクライアントに、どの理論を、どう使えばいいのか…結局、知識が繋がらない。」
このような経験を持つ、向上心の高い理学療法士やトレーナーの方は少なくありません。数多くの優れたアプローチが存在する一方で、それぞれが独立した「点」となり、臨床での思考をかえって複雑にしてしまうことがあります。
当協会が提供するのは、これらの**「点と点を繋ぎ、一本の線にする」ための、明確な理論的フレームワーク**です。
全ての土台となる2つのシステム:「筋膜」と「運動制御」
私たちの身体におけるあらゆる動きと姿勢は、突き詰めると2つのシステムの相互作用によって支配されています。
- 筋膜システム (The Fascial System): アナトミートレインや5プライマリーキネティックチェインといった概念が示すように、筋膜は身体を三次元的に繋ぐ「構造的ネットワーク」です。これは、力の伝達や姿勢の維持を担う**“ハードウェア”であり、同時に身体の状態を脳に伝える巨大な“感覚入力装置”**でもあります。
- 運動制御システム (The Motor Control System): 脳・神経系を中心とした、身体の**“ソフトウェア”あるいは“OS(オペレーティングシステム)”**です。筋膜を含む全身からの感覚情報を受け取り、過去の経験や環境に基づいて動きを計画し、筋肉へ指令を出すことで、あらゆる動作を制御しています。
症状の根本原因は、このハードウェア(筋膜)とソフトウェア(運動制御)の、どちらか一方、あるいは両方の機能不全(破綻)に隠されています。
様々な概念を統合する、私たちの臨床思考プロセス
当協会では、この**「筋膜システム」と「運動制御システム」**を全ての評価とアプローチの土台に据えることで、様々な先進的テクニックを論理的に統合します。
- FMS®︎ (Functional Movement Screen) / SFMA®︎ (Selective Functional Movement Assessment): これらは、身体の機能不全(バグ)を効率的に発見するための優れた**「スクリーニングツール(問題発見プログラム)」**と捉えます。
- PRI®︎ (Postural Restoration Institute) / DNS (Dynamic Neuromuscular Stabilization) / NKT®︎ (NeuroKinetic Therapy): これらは、発見された機能不全の背景にある、脳・神経系のプログラムエラー、すなわち**「運動制御(ソフトウェア)の問題」**を特定し、修正するためのアプローチとして位置づけます。
- アナトミートレイン / 5プライマリーキネティックチェイン: これらは、身体の**「構造(ハードウェア)の配線図」**です。ある部位の機能不全が、筋膜の繋がりを通じて、どのように遠隔部の症状に影響を与えるのかを理解するために用います。
- IASTM / 徒手筋膜リリース: これらは、評価によって特定された問題に対する、最も効果的な**「介入ツール」**です。IASTMや徒手療法は、**筋膜(ハードウェア)の物理的な制限を解放すると同時に、その刺激を通じて運動制御(ソフトウェア)**に新しい感覚情報を送り、プログラムを書き換えるきっかけを与えます。
このように、私たちは単一のテクニックを教えるのではありません。 「なぜ、そのクライアントにはPRI®︎の考え方が有効なのか?」「なぜ、このケースではIASTMによる介入が必要なのか?」――その全てを、筋膜と運動制御という普遍的な原理原則から論理的に判断し、最適なアプローチを導き出す**「臨床思考プロセス」そのもの**を指導します。
これが、当協会のセミナーが提供する、他の筋膜リリースや整体の講座とは一線を画す、最大の価値です。