【股関節】筋膜リリースの為の『筋肉の作用と関節運動』【読む‐機能解剖学⑧】

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こんにちは♪

筋膜リリースとIASTMの資格発行を行っている「日本IASTM協会」です♬

 

このブログでは、筋膜リリースで腰痛に対して改善を目指す場合、とても重要な部位である【骨盤-股関節】について学んでゆきます。

骨盤や股関節に付着する筋もたくさん存在し、とても複雑に見えるのですが、慣れるととてもシンプルで覚えやすいのが骨盤-股関節の筋です。

骨盤の動きが上半身や足にも関連する為、骨盤の動きを把握する事が筋膜リリースで結果を出す上で非常に重要となってきます

このブログ内では、骨盤-股関節に関連する骨・関節、骨盤-股関節の動き、骨盤-股関節に付着する筋肉、骨盤の傾きを制御する筋、骨盤と股関節の連動(カップリングモーション)に対する説明をおこなっております。

現在文字だけとなっており、理解しづらいと思うのですが、今後少しづつ画像を付けたしアップデートしてゆきます♬

それでは、お楽しみください♪



股関節
すなわち寛骨臼大腿関節は、その骨 格の構造、強靱な靱帯、そしてまわりを取り囲 む大きな筋肉のサポートによって非常に安定し た関節といえます。 この関節は自由な可動域を 特徴として、 主に荷重や歩行で機能し、 ランニ ング、クロスステップ、 切り替え、サイドステッ プ ジャンプ、 その他、多方向への方向転換が 可能となります。

○骨

股関節は大腿骨頭が寛骨臼にはまっている白 状関節です。 骨盤は左右の寛骨が後方で仙骨と 接して構成されています。 大腿骨は人体で最も 長い骨です。仙骨は5つの椎骨が融合してでき た脊柱の延長と考えられます。 尾骨は仙骨の下 方に突出しています。寛骨は腸骨、坐骨、そし て恥骨の3つの部分に分けられますが、これらは生まれたときから成長期までは軟骨結合して いる別々の骨で、大人になると融合して1つの 寛骨になります。
寛骨は寛骨臼から3つの部分に分けることが できます。
上部2/5≒ 腸骨
後方下部 2/5≒ 坐骨
前方下部 1/5= 恥骨

○関節
左右の寛骨は前下方の恥骨結合部で半関節を 形成しています。 後方では左右の寛骨が仙骨と 接し、それぞれ仙腸関節を構成しています。 強 靱な靭帯によってこれらはしっかりと結ばれて おり、そのことがこれらの関節を動きの少ない ものにしています。 この部分の骨は大きくて重 く、ほとんどは分厚い筋肉で覆われています。

この周辺の関節では歩行時や背臥位での股関 節屈曲で、ほんのわずかに振動する程度の動き が生じます。 しかし、1つの関節運動といえど も骨盤と股関節全体の動きに影響を及ぼします。 たとえば歩行では、 股関節の屈曲と伸展は骨盤 の回旋運動を伴っており、屈曲時には前方に、 そして伸展時には後方に回旋します。 ジョギン グやランニングではこれらの動きが速く、しか も大きな範囲で生じます。

股関節と骨盤の動きのよい例としてアメリカ ン・フットボールやサッカーでのキック動作が あげられます。 骨盤の回旋運動によって、ラン ニングではストライドがより広くなり、キック ではより遠くに勢いよく蹴ることができるので す。

股関節は多軸関節なので、 肩関節を除いて人 体の中でも最も可動性のある関節の1つです。 肩関節とは異なり、股関節は骨格の構造によって強く安定性が保たれているので、亜脱臼や脱 臼はこの関節では比較的起こりにくくなってい ます。 股関節は球関節の仲間の臼状関節に分類 され、大腿骨頭が寛骨の寛骨臼のソケットに入 り込んでいます。 その周りを非常に強靭で密な 関節包が包み込み、 特に前方の安全性を強化し ています。 また、前方にある腸骨大腿靱帯は股 関節の過伸展を防いでいます。 大腿骨頭靭帯は 寛骨臼の奥から大腿骨頭まで伸びており、 若干の内転制限をします。 恥骨大腿靭帯は股関節の 前方内側下方に位置し、 股関節の過剰な伸展と 外転を防いでいます。 後方には三角状の坐骨大 腿靱帯が坐骨から大腿骨頚の下を通り転子窩に つき、内転を制限します。

個人差はありますが、 股関節の可動域は一般 的に屈曲が0~130°、伸展が 0~30°、外転が0 ~45° 内転が 0~30°、内旋が 0~45° 、 外旋が 0~50° です。

骨盤は身体の3つの基本面上で動き、合計で6種類の動きをします。骨盤の回旋運動は、 右 の殿部 (おしり)、 左の殿部、 そして腰椎のう ちどれか1つまたはそれ以上の部位が動くと生 じます。 繰り返しますが、 骨盤の回旋運動のた めに3つの部位が常に同時に動く必要はなく、 ただ1つの部位だけの動きで回旋運動は起きます。

○関節の動き
骨盤の前傾と後傾は矢状面上で生じ、左右の 側方への傾斜は前額面上で生じます。
右水平 (時計回り) の回旋と、 左水平 (反時計回り) の回旋は水平面上で生じます。


股関節の屈曲:大腿骨が骨盤に向かってまっすぐ前方に向かう動き
股関節の伸展 : 大腿骨がまっすぐ後方に骨盤か ら離れていく動き
股関節の外転: 大腿骨が正中線から外側へまっすぐに離れる動き
股関節の内転: 大腿骨が外転位から正中線へ向かう動き
股関節の外旋 : 大腿骨がその長軸を回転の軸として外側へ回る働き
股関節の内旋 : 大腿骨がその長軸を回転の軸として内側へ回る動き
骨盤の前傾: 腸骨稜が矢状面上で前方に傾く動き
骨盤の後傾: 腸骨稜が矢状面上で後方に傾く動き
骨盤の左側方傾斜: 前額面上で左の骨盤が下方 に、 または右の骨盤が上方に傾く動き
骨盤の右側方傾斜: 前額面上で右の骨盤が下方 に、または左の骨盤が上方に傾く動き
骨盤の左水平回旋 : 水平面上で右の骨盤が前方 に、 または左の骨盤が後方へ回る動き
骨盤の右水平回旋 : 水平面上で左の骨盤が前方 に、または右の骨盤が後方へ回る動き


○骨盤の回旋運動に伴う腰椎と股関節の動き

骨盤の回旋-腰椎の動き-右股関節の動き-左股関節の動き


前傾-伸展-屈曲-屈曲
後傾-屈曲-伸展-伸展

左側方傾斜-右側屈-内転-外転
右側方倾斜-左側屈-外転-内転

右水平回旋-左回旋-内旋-外旋
左水平回旋-右回旋-外旋-内旋


○筋肉

股関節には7つの二関節筋があり、 股関節と 膝関節の動きに関与しています。 股関節と骨盤 の動きに実際に関与する筋肉の働きは、重力の 方向や姿勢によって大きく左右されます。 たと えば、 立位で股関節の屈筋を収縮させた場合、 体幹と骨盤は前方に傾きますが背臥位で同じ筋 肉を収縮させると、骨盤は動かず大腿部が前方 に動き、 股関節の屈曲が起こります。 もう1つ の例として、股関節の屈筋は脚を体幹に引きつ けるときに働きますが、 伸筋は骨盤と体幹が前 傾するときはエキセントリックに (重力に逆らっ て) 働くのに対し、 そして骨盤が後傾するとき はコンセントリックに働きます。 そしてその結 果として身体を立位に保つことができるのです。

膝を曲げてしゃがみ込む動作では股関節と膝 関節は屈曲していますが、実はこのとき、主に 働いているのは股関節と膝関節の伸筋群で、重 力に逆らってエキセントリックに収縮していま す。

股関節と骨盤に関与する筋肉 (位置による分類)

筋肉の位置によってその働きが推定できます。 17かそれ以上の筋肉がこの部分にはあり (6つ の外旋筋は1つの筋肉として扱います)、その ほとんどは大きくて強靱です。

前方
動き: 主に股関節の屈曲
筋肉 : 腸腰筋 (ちょうようきん)、恥骨筋(ちこつきん)、大腿直筋 (だいたいちょくきん) 、縫工筋 (ほうこうきん)

外側
動き: 主に股関節の外転
筋肉 : 中殿筋(ちゅうでんきん )、小殿筋 (しょうでんきん)、外旋筋群 (がいせんきんぐん )、深層外旋六筋 : (しんそうがいせんろくきん)、大腿筋膜張筋 (だいたいきんまくちょうきん)

後方
動き: 主に股関節の伸展
筋肉 大殿筋(だいでんきん)
大腿二頭筋 (だいたいにとうきん) 、半膜様筋 (はんまくようきん) 、深層外旋六筋 :(しんそうがいせんろくきん)、半腱様筋(はんけんようきん) 、外旋筋群 (がいせんきんぐん )

内側
動き: 主に股関節の内転
筋肉 : 短内転筋(たんないてんきん)
長内転筋 (ちょうないてんきん) 大内転筋(だいないてんきん)、薄筋 (はっきん)

股関節の動きに関与する骨盤周辺の筋肉は、 腸骨部と殿部の2つのパートに分けられます。 腸骨部には股関節の屈筋である腸腰筋がありま す。 腸腰筋は実際は腸骨筋、大腰筋、そして小 腰筋の3つの筋肉からなります。 殿部の10の 筋肉は主に、 股関節の伸展と回旋で機能します。 この殿部に位置する筋肉は大殿筋、中殿筋、 小 殿筋、大腿筋膜張筋、そして深層外旋六筋 (梨 状筋、外閉鎖筋、 内閉鎖筋、上双子筋、 下双子 筋、大腿方形筋) です。

大腿部は筋間中隔によって3つのコンパート メント 〈区画〉に分けることができます。 前方 コンパートメントには大腿直筋、内側広筋、 中 間広筋、外側広筋、そして縫工筋が含まれます。 ハムストリングと呼ばれる大腿二頭筋、半腱様 筋、半膜様筋の3つの筋肉は後方部コンパート メントに位置します。 内側部コンパートメント には主に股関節の内転をさせる短内転筋、長内 転筋、大内転筋 恥骨筋、 および薄筋といった 筋肉が含まれます。

●腸腰筋(ちょうようきん)

起始
腸骨筋 腸骨の内側面
大腰筋と小腰筋: 第1~5腰椎の横突起の下 緑、第12胸椎椎体の側面、第1~5 腰椎 椎体、椎間の線維軟骨、仙骨の底部

停止
腸骨筋と大腰筋 大腿骨小転子とそのすぐ下 の大腿骨骨幹
小腰筋:腸恥隆起

機能
股関節の屈曲
股関節の外旋
股関節の内転(補助)
腰椎の伸展(脚が固定されている状態)
片側の収縮により、同側側屈-対側回旋
(側弯を形成します)

触診
腹直筋を完全にリラックスしない限り、 触診はできません。腹直筋外側から脊椎方向へ斜め45゜に圧を加えると触診できます。
背臥位で、膝を立てた状態で、股関節の屈曲動作を軽く行うと、お腹の奥から持ち上がってくるような大腰筋が収縮を感じます。

神経支配
腰神経叢、大腿神経 (L2・3・4)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
腸腰筋は通常1つの筋肉とされていますが、 実際は腸骨筋 大腰筋、そして小腰筋の3つの 筋肉からなっています。 解剖学の本によっては それぞれを別の筋肉として扱っています。

腸腰筋は背臥位で脚を上げるときなどに、と ても力強く働く筋肉です。 また、腸腰筋の最大の力は、ベッドから起き上がる最初の段階に発揮されます。この筋肉は起始が腰 部にあるので、 腰部を前方に引き出し 背臥位 で脚を上げる場合も腰部を引っ張ります。
ベッドからの起き上がりで腰が痛む場合は、この大腰筋過緊張による腰椎過伸展が原因となっているケースも多くあります。
これに対して、腹筋は骨盤を後傾させて腰部を平らにするので、 腰部にかかるストレスを和らげます。 また、背臥位での脚の挙上は基本的には股関節の屈曲であり体幹の動きではありません。 脚の挙上の運動を激しく長期的にわたって行うと、 腰痛の原因にもなるでしょう。 膝を伸ばしたまま行うシッ トアップ (上体起こし) では、腸腰筋がコンセントリックとエキセントリックに強く収縮します。

腸腰筋の強化には、平行棒などにつかまって 大腿部を上げるエクササイズが効果的です。 このエクササイズは最初は膝を曲げて行い、 筋力の増加に伴って膝を伸ばして行うとより負荷が かかって効果的です。

腸腰筋のストレッチは膝が体の前面よりも後方になるように股関節の伸展を行います。 膝関節を完全屈曲させないことで、腸腰筋のみをトレッチさせることができます。 また、股関節の伸展位で内旋を加えることでより効果的にストレッチできます。


●骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)
恥骨尾骨筋(ちこつびこつきん)/腸骨尾骨筋(ちょうこつびこつきん/恥骨直腸筋(ちこつちょくちょうきん)(尾骨筋(びこつきん))

起始

停止

機能
骨盤底の挙上

触診
支配神経
(S4・5)

機能解剖、筋力強化、ストレッチング
尾骨筋下部は大殿筋、肛門挙筋後部と癒合します。尾骨筋の状態は骨盤の安定性に関与し、仙骨を後傾(起き上がりの運動)をさせます。それによって骨盤前傾と腰椎の過伸展が改善されます。
骨盤底筋群の機能低下は骨盤の前傾を促し、胸椎の屈曲に繋がるため、呼吸が制限されてしまいます。

筋力強化
肛門の周りをゆっくり上に引き上げるような動きによって骨盤底筋群は収縮します。筋力強化というよりも、固有受容感覚の改善を目的として行います。

ストレッチング
骨盤底に息を届けるようなイメージでゆっくり呼吸することによって、骨盤底筋群が沈下し、伸張位もなります。こちらも筋力強化と同様、筋の伸張(ⅠB抑制)を目的としたものではなく、固有受容感覚改善のエクササイズとして行います。

●縫工筋 (ほうこうきん)

起始
上前腸骨棘とそのすぐ下の切痕部

停止
骨粗面内側 ( 鵞足 : がそく)

機能
股関節の屈曲
膝関節の屈曲
股関節の外旋 (股関節の屈曲と膝関節の屈曲に伴って)

触診
上前腸骨棘で触れられますが、大きな人では困難です。

神経支配
大腿神経 (L2・3)


機能解剖、筋力強化、ストレッチング
縫工筋の収縮によって、その起始である上前腸骨棘が下方へ引っ張られ、骨盤が前傾します。 このとき腹筋が骨盤を引き上げて後傾させ、腰 背部を平らに保つ必要があります。

二関節筋である縫工筋は、股関節の屈曲と膝 関節の屈曲に関与しますが、この2つの動きが 同時に生じる場合は、 縫工筋の働きは弱くなり ます。 イスに座って膝を組むときに身体を少し 後ろに傾けますが、 これはこの筋肉の起始を引 き上げて筋肉の長さを伸ばし、 屈筋としての機 能を高めて膝を楽に組めるようにするためです。 膝を伸ばした状態では、縫工筋は股関節の屈筋 として有効に働きます。 この筋肉は人体の中で も非常に長い筋肉であり、 強化のためには腸腰 筋と同じエクササイズを行います。 ストレッチ はパートナーに股関節の十分な伸展と内転、そして内旋をしてもらいます。

●大腿直筋(だいたいちょくきん)


起始
腸骨の下前腸骨棘と寛骨臼の後方上部の溝

停止
膝蓋骨の上縁、膝蓋靭帯を通して整骨粗面に付着

機能
股関節の屈曲、外転

膝関節の伸展

触診
大腿前面のほぼ全域で触れられます。

神経支配
大腿神経 (L2・3・4)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
大腿直筋によってその起始である下前腸骨棘 が引っ張られると骨盤は前傾します。 この動き に対抗できるのは腹筋だけです。 年齢を重ねるごとに、腹筋が弱くなって骨盤を後傾させてお くことができなくなり、その結果、腰椎の前弯 が大きくなってしまいます。

一般的に筋肉はその長さが短いときには発揮 できる力が弱くなります。 このことは大腿直筋 が、 股関節伸展位において膝関節の伸筋として より大きな力を発揮し、 逆に股関節屈曲位では 膝関節の伸筋として弱いことからもわかります。 この筋肉は大腿四頭筋の他の筋肉とともにラン ニング、ジャンプ、ホップ、そしてスキップな どで使われます。 これらの動きの中で、大腿直 筋が膝を伸展させながら股関節を屈曲させるの に対して、 大殿筋やハムストリングは力強く股 関節を伸展させます。 大腿直筋は股関節の屈曲 や膝関節の伸展に対して、 徒手で抵抗を加える ことで強化できます。

大腿直筋は股関節伸展位で、膝関節を完全屈曲させてストレッチします。



●大腿筋膜張筋 (だいたいきんまくちょうきん)

起始
腸骨稜前部とそのすぐ下の腸骨面

停止
骨前外側顆上のガーディ結節に付着する腸 靭帯の上1/4部分まで

機能
股関節の外転
股関節の屈曲 (同時に股関節を内旋)

触診
大腿骨大転子のやや前方で触診できます。

神経支配
上殿神経 (L4・5、S1)

機能解剖、筋力強化、ストレッチング
大腿筋膜張筋は腸脛靭帯と結合して膝関節外側の安定を補助します
大腿筋膜張筋は大殿筋の両筋は大腿筋膜、腸脛靭帯によってつながることで大腿骨頭を牽引して寛骨臼に圧迫し、股関節の安定性を高めてくれています。

また、大腿筋膜張筋は他の股関節の屈筋によって股 関節が屈曲しているときに、 股関節が外旋する のを防いでいます。
大腿筋膜張筋は股関節を同時に屈曲と内旋さ せるときに働きます。 この働きはそれほど目立っ た動きではありませんが、歩行やランニング中 に足がまっすぐ前に出るように導く、重要な役 割をはたしています。 したがって、 背臥位でつ ま先を内側に向けて (股関節を内旋させて)、 脚の挙上運動をすると、この筋肉が大変よく使 われます。
大腿筋膜張筋は、横向きに横たわって (側臥 位で) 股関節を外転させる (重力に逆らう) エ クササイズで強化できます。 このエクササイズ では脚を上げるときは素早く、下ろすときはゆっ くりと下ろすことでより効果が得られますし、 足首に重りを付けて負荷を増やすのもよい方法 です。 ストレッチする側を壁側にして立ち、壁 に手をついて身体を支えながら腰を壁側に突き 出します。 股関節の完全伸展、内転、そして外 旋することでストレッチすることができます。

●深層外旋六筋(しんそうがいせんろっきん)
・梨状筋 (りじょうきん)
・上双子筋 (じょうそうしん)
・下双子筋(かそうしきん)
・外閉鎖筋 (がいへいさきん)
・内閉鎖筋 (ないへいさきん )
・大腿方形筋(だいたいほうけいきん)

起始
仙骨前方、坐骨の後方、閉鎖孔
停止
大腿骨大転子の上後方部

機能
股関節の外旋

触診
これらの筋肉は触れることができません。

神経支配
梨状筋 仙骨神経(S12)
上双子筋: 仙骨神経 (L5、 S12)
下双子筋: 仙骨神経叢からの枝(L4.5. S1・2)
外閉鎖筋: 閉鎖神経 (L3・4)
内閉鎖筋: 仙骨神経叢からの枝(L4・5、S1・2)
大腿方形筋: 仙骨神経叢からの枝 (L45、S1 )

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

深層外旋六筋は、すでに内旋位にある股関節 を強く外旋させるときに使われます。 野球のボー ルを投げるとき、 バットを振るときなどに起こる股関節の外旋がよい例です。

片足で立って股関節を内旋させた状態から、力一杯その足を蹴ってジャンプする動作でこの 筋群は働きます。 片足を地面に着けた状態で、 体幹をその脚の反対側へ回旋させる動作でも抵 抗下で行えば、 深層外旋六筋のよいエクササイ ズになります。 背臥位になり、 パートナーに股 関節の内旋と少しの屈曲を加えてもらうことでストレッチできます

 

●大殿筋 (だいでんきん) 

起始
腸骨稜の後方 1/4
仙骨と尾骨の腸骨近くの後面
腰背筋膜

停止
大転子外側面
大腿筋膜張筋の腸脛靭帯

機能
股関節の伸展
股関節の外旋
股関節の内転の補助 (下部の筋線維)

触診
骨盤後面の広範囲にわたって触れることができます。

神経支配
下殿神経 (L5, S1・2)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング 大殿筋は骨盤と大腿骨が接近し、 股関節が15°以上伸展されたときに動きます。 したがっ て、この筋肉は普通の歩行ではさほど使われま せん。 この筋肉を使うには、外旋を伴った股関節の伸展をする必要があります。
ランニング、ホッピング、 スキップ、 ジャンプで大殿筋は大変よく働きます。 バーベルを担 いでのスクワットでは、この筋肉が力強く収縮して股関節が伸展します。

前傾姿勢かまたは腹臥位での股関節の伸展が ここの筋肉のトレーニングとして使われます。 股 関節を屈曲させた状態から膝を30°以上曲げて ハムストリングを使わずに股関節を伸展させる と大殿筋がよく鍛えられます。

背臥位で、ストレッチさせたい方と同側の肩 に膝が向くように膝をかかえる方法や、逆側の 肩に向けて膝を抱え、股関節を内旋をさせるこ とでよりストレッチ効果が得られます。


●中殿筋(ちゅうでんきん)

起始
腸骨稜のすぐ下の腸骨外側

停止
大腿骨大転子の後外側

機能
股関節の外転
股関節の外転に伴う股関節の外旋 (後部線維)
股関節の内旋 (前部線維)

触診
大腿骨大転子の5~7cm 後方で触診できます。

神経支配
上殿神経 (L4・5、S1)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
中殿筋と小殿筋は歩行中に働き、 体重が片足 にかかわったときに逆側の殿部が下方へ落ち込 んでしまわないように支えます。 中殿筋と小殿 筋が弱いと肩が左右に揺れる、いわゆるトレン デレンブルグ歩行になってしまいます。 これは 股関節の外転筋によって良好な状態が保てなく なり、片足に体重をかけたとき、 逆側の殿部が だらりと落ちてしまうという状態です。

股関節の外旋方向への抵抗運動でもこの筋肉 を強化することができますが、大腿筋膜張筋で 紹介したような側臥位で行う股関節の外転エク ササイズでも、効果的に鍛えることができます。 ストレッチはストレッチをしない脚の前方、 ま たは後方からストレッチする脚をクロスさせ十分に内転するという方法で行うことができます。

 

●小殿筋 (しょうでんきん)

起始
中殿筋の起始のすぐ下の腸骨外側

停止
大腿骨大転子の前面

機能
股関節の外転
股関節の外転に伴う股関節の内旋

触診
触れることはできません。

神経支配
上殿神経 (L4・5、S1)

機能解剖、筋力強化、ストレッチング
小殿筋と中殿筋は、ランニング中に股関節をきちんと外転位に保つために大変よく働きます。
したがって、この2つの筋肉はランニング、ホッ ピング、スキップなどで体重が左右交互に移動 する運動によって鍛えられます。年齢を重ねる ごとに小殿筋と中殿筋は機能は低下します。 殿 部 (おしり) については若い人の力のある動き は、この筋肉の発達が大きくかかわっていると いえます。 下肢の動きを最大限に生かすために は、この筋肉が十分発達している必要がありま す。

小殿筋の強化には、大腿筋膜張筋や中殿筋の エクササイズで紹介しているような股関節の外 転運動が効果的です。 また、股関節の内旋運動 を徒手で抵抗を加えて行っても、この筋肉を鍛 えることができます。 股関節を少し外旋させて 十分な内転を行うとストレッチできます。

 

●大腿二頭筋(だいたいにとうきん) 

起始
大長頭:坐骨結節
短頭:大腿骨粗線の下 1/2に位置する外側顆の稜線

停止
外側顆と腓骨頭

機能
股関節の伸展、 膝関節の屈曲
股関節の外旋、 膝関節の外旋

触診
膝に近い大腿の後方外側部で触れられます。

神経支配
長頭 : 坐骨神経の脛骨神経部 (S1.2.3)
短頭 坐骨神経の総腓骨神経部 (L5S12)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
大腿後面にある半腱様筋と半膜様筋、そして大腿二頭筋の筋群を総称してハムストリングと 呼びます。 これらの筋肉は大殿筋とともに膝が 伸展した状態で股関節の伸展に使われます。 し たがって、 ランニング、ジャンプ、 スキップ、 ホッピングでよく使われます。 鉄棒などからぶ ら下がって、足が地面に着かない状態で膝を曲 げるときにハムストリングは、大殿筋の補助を 受けずに働きます。 同様に大殿筋は、股関節が 伸展位でかつ膝関節が屈曲位のときに、 ハムストリングの補助を受けずに働きます。

大腿二頭筋は膝関節の屈曲を抵抗下で行うエ クササイズで強化できます。 レッグカールを 腹臥位で行うか、 足首に重りをつけて立位で行 うとよいでしょう。 そのとき、最も効果的な方 法は、 膝関節を外旋位に保ちながらレッグ・カー ルを行うことです。

股関節を内旋、 および少し内転させた状態で、 膝関節を完全伸展させるとストレッチできます。



●半腱様筋(はんけもんんようきん)


起始
坐骨結節

停止
骨粗面の内側 (鵞足)


機能
股関節の伸展、膝関節の屈曲
股関節の内旋、 膝関節の内旋

触診
膝の後方内側部で触れることができます。

神経支配
坐骨神経の脛骨神経部 (L5、 S1・2)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
半腱様筋は二関節筋で、 股関節の伸展と膝関 節の屈曲が同時に行われた場合には大きな力を 発揮しません。 逆に、 どちらか一方の関節での み動きが生じる場合には非常に大きな力を出し ます。膝を伸ばしたまま立位で前屈するとハム ストリング (半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋) によって骨盤の後方が強く引かれるので、骨盤 は後傾します。 この動作を膝を曲げた状態で行 うと、この骨盤の後傾は主として大殿筋によって行われます。

鉄棒にぶら下がって膝を強く屈曲させるとき は、 股関節の屈筋群がハムストリングの起始を 引き上げ、 半腱様筋がより効果的に膝関節の屈 筋として働くよう作用します。 この動作で股関 節が完全に伸展していると、 膝関節の屈曲力は 弱まります。 ハムストリングは股関節の伸筋と して普通の歩行時でも使われ、大殿筋をリラックスさせます。

半腱様筋は大腿二頭筋で紹介するレッグ・カー ル(ハムストリング・カール)で最も効果的に 鍛えることができますが、この筋肉により重点 を置くならば、屈曲の可動域全体を通して膝の内旋位を保ち、 起始と停止が一直線上になるよ うにするとよいでしょう。 股関節を外旋させ、 そしてやや外転させつつ屈曲を行い、 膝関節を完全伸展するとストレッチが可能です。

●半膜様筋(はんまくようきん) 

起始
坐骨結節

停止
内側顆の後内側

機能
股関節の伸展
膝関節の屈曲
股関節の内旋
膝関節の内旋

触診
大部分が他の筋肉によって覆われていますが、 膝の内側後方で腱に触れることができます。

神経支配
坐骨神経の脛骨神経部 (L5、 S1・2)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

半腱様筋・半膜様筋は両方とも膝関節の内旋 に関与しますが、 これは後の章で取り上げる膝 窩筋と同様の働きです。 これらの筋肉はいずれ も膝関節をまたいでいるので、内側部の動的安 定性にも関与します。

半膜様筋も膝関節の内旋を保ちながらレッグ・ カールを行うと効果的に鍛えられます。 ストレッ チは半腱様筋と同様に行います。


●短内転筋 (たんないてんきん)
起始
恥骨下枝の前面で長内転筋の起始のすぐ下

停止
大腿骨恥骨筋線の下方2/3
粗線内側唇の上方1/2

機能
股関節の内転、股関節中間位CKCにて股関節内旋
股関節の内転に伴う股関節の外旋
触診
触れることはできません。

神経支配
閉鎖神経 (L3・4)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
短内転筋は他の内転筋群とともに、両方の大 腿をお互いに引きつけるときに力強く働きます。 両方の大腿で何かをはさみ込み、抵抗を加える ようにして、 内転させるエクササイズによって 短内転筋を鍛えることができます。 股関節を伸 展、および内旋させた状態で外転させると、こ の筋肉をストレッチできます。

●長内転筋(ちょうないてんきん)

起始
恥骨前面で恥骨稜のすぐ下

停止
大腿骨粗線の中間 1/3

機能
股関節の内転、股関節中間位CKCにて股関節内旋
股関節の屈曲の補助

触診
恥骨の内側のすぐ下で触れられます。

神経支配
閉鎖神経 (L3・4)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

この筋肉はいわゆるシザーズ (はさみ)クササイズで鍛えることができます。 この運動 は、床に座って脚を大きく開き、 パートナーに 足か手で下腿に内側から抵抗をかけてもらいま す。 抵抗かけているパートナーの手や足を両足 ではさむように、 股関節を可動域全体にわたっ て内転します。 このエクササイズは片足ずつで も両足でもできます。 ストレッチは短内転筋と同様に行います。

●大内転筋(だいないてんきん) 

起始
恥骨、坐骨枝、 坐骨結節

停止
大腿骨粗線の全域
大腿骨内側顆の稜線
内転筋結節

機能
股関節の内転
股関節の内転に伴う股関節の外旋

触診
大腿の後方内側面で触れられます。

神経支配
前面: 閉鎖神経 (L2・3・4)
後方: 坐骨神経 (L4・5、 S1・2・3)

機能解剖、筋力強化、ストレッチング
大内転筋は水泳の平泳ぎのキックや乗馬でま く使われます。 股関節内転筋群 ( 大内転筋、長 内転筋、短内転筋、薄筋) は通常の動きの中で はあまり使われないので、この筋肉を使う運動 を積極的に行う必要があります。 最近では股関 節の内転運動に負荷がかけられるエクササイズ・ マシンもあります。 短内転筋と長内転筋で紹介 した股関節の内転運動は大内転筋の強化にも応 用できます。 また大内転筋は長内転筋、短内転 筋と同じ方法でストレッチすることができます。

●恥骨筋(ちこつきん)

起始
恥骨稜のすぐ上の恥骨前面に約2.5cm にわ たって付着

停止
大腿骨小転子から粗線までのびる線上

機能
股関節の屈曲、股関節の内転、股関節中間位CKCにて股関節内旋

触診
恥骨と大腿骨の間で触れられますが、長内転 筋との区別は困難ですが、繊維の判別は可能です。

神経支配
大腿神経 (L2・3・4)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

恥骨筋が収縮すると骨盤が前傾します。 この とき、腹筋が骨盤を後傾させてこの前方への傾 きを抑制しています。 他内の恥骨筋は腸腰筋と同様に脚の上げ下ろし (股関節の屈曲) をするエクササイズによって鍛えられます。 また、このエクササイズに股関節の 内転を加えれば、いっそう効果があります。

股関節を伸展および外旋した状態で完全に外 転させると、この筋肉をストレッチすることが できます。

●薄筋 (はっきん)

起始
恥骨下枝の前方内側縁

停止
骨粗面の内側 ( 鵞足)

機能
股関節の内転
股関節の内旋
膝関節の屈曲の補助

触診
大腿の内側で恥骨の5~7cm下で触れられます。

神経支配
閉鎖神経 (L2・3・4)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

薄筋は他の股関節の内転筋群と同じ機能を持 ちますが、それに加えて膝関節の屈曲をわずかに補助もします。 内転筋群 (大内転筋、長内転筋、短内転筋、薄筋)は乗馬や水泳の平泳ぎのキックで使われ ます。 これらの筋肉を適切に鍛えておくことで、 スポーツの後の筋肉痛を予防できます。 薄筋は 他の内転筋のページで紹介したトレーニングと 同様の方法で強化できます。 ストレッチも他の 内転筋群と同じ方法ですが、 膝関節は伸展位で 行います。

股関節屈曲の補助筋
次の筋は屈曲を補助します。
恥骨筋
長内転筋
短内転筋
薄筋
中殿筋、および小殿筋

機能別に分類した屈筋
屈筋は屈曲以外の機能を基に2つのグループに分類できます。

屈曲/外転/内旋 :
中殿筋および小殿筋の一部、 大腿筋膜張筋

屈曲/内転/外旋 :
腸腰筋 恥骨筋、薄筋、長内 転筋、短内転筋


○骨盤の変位と筋力の変化
骨盤が変位すると屈筋の力の展開が変わります。骨盤が屈曲位になり腰椎前弯が進むと、 腸腰筋、大腿直筋および縫工筋が相互に接近し、力-張力関係によって、最大の力を発揮できなくります。 すると屈曲位で運動軸の前側に大きく移動した中殿筋および小殿筋が徐々に屈曲を担うようになります。

○骨盤を後傾させる筋肉
大腰筋(腸骨を腰椎へ)
脊柱起立筋
大殿筋
大内転筋
ハムストリングス
腹直筋
腹横筋
内腹斜筋下部(横走繊維)


○骨盤を前方回旋させる筋肉
腸腰筋(腰椎を大腿骨へ)
腰方形筋
大腿直筋
大腿筋膜張筋
縫工筋
恥骨筋
短内転筋
長内転筋
広背筋下部線維
脊柱起立筋(胸椎屈曲位でのベクトル変更にて)
小殿筋
中殿筋前部繊維

2. 前方回旋運動
(M. quadratus lumborum) 腰方形筋が腸骨翼を内側に牽引する運動を前 方回旋運動と称する。
(M. pectineus)、 (M. adductor brevis)  (M. adductor longus)起始が支点の下側にあるこの3つの筋は、恥骨を 外側に牽引する。

外旋筋群
外旋筋は骨盤下部を外側に牽引する。

3. 後傾
広背筋 (M. latissimus dorsi) 
起始部の線維が腸骨まで伸び、腸骨を前方に牽 引する。

縫工筋 (M. sartorius)、 大腿筋膜張筋 (M.ten sor fasciae latae) 、 大腿直筋 (M. rectus femoris) 内転筋 (M. adduktor) (図 2.84)
骨盤を前方および下方に牽引する。

4. 後方回旋運動
中殿筋 (M. glutaeus medius)、 小殿筋 (M.glutaeus minimus)、 大殿筋 (M. glutaeus maximus) の上位線維 この3つの筋は腸骨翼を外側に牽引する。
半膜様筋 (M. semimembranosus)、半腱様筋 (M. semitendinosus) この2つの筋は結節を内側に牽引する。


○屈筋の伸張検査
股関節の屈筋は主にI型膠原線維でできた筋線維を含みます。屈筋は緊張筋系に属し、耐久力、 緩徐な収縮、毛細管への栄養供給を特徴とします。
屈筋に関しては伸張能を検査します。
背臥位で片脚を胸に引き寄せた姿勢で行なうトーマステストが有用です。
腸腰筋、大腿直筋および大腿筋膜張筋の伸 張能を検査できます。。腸腰筋が短いと股関節が屈曲がし、大腿直筋が短いと膝が伸展し、 大腿筋膜張筋短いと下肢が外転します。

 

これらが骨盤-股関節に対する機能解剖学の全体像です。最初はとても複雑だと思うのですが、筋膜リリース資格講座を通してこれらの内容の復習してゆきますので大丈夫です(^^♪

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筋肉の位置や関節運動は暗記するものではなく、使っていくうちに段々と覚えていくものとなります♬
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