【肘関節】筋膜リリースの為の『筋肉の作用と関節運動』【読む‐機能解剖学⑥】

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こんにちは♪

筋膜リリースとIASTM協会の資格を発行している「日本IASTM協会」です。

 

このブログでは、筋膜リリースで肘や手の痛みの改善、そして肩こりや首の痛みの改善を目指す上で、とても重要な部位である【肘関節】について学んでゆきます。

肘関節の動きは比較的シンプルですが、前腕部に付着する筋が多いため、筋の走行や作用は複雑で覚えずらいです。

前腕部部の筋肉が複雑化している理由は、手を動かす筋肉の多くが肘付近から走行している為です。

手の「超複雑な動作」を遂行させるために多くの筋が互いに助け合って、私たちの思った通りの動きをしてくれています。

 

このブログ内では、肘関節に関連する骨・関節、肩甲骨の動き、肩甲骨に付着する筋肉に対する説明をおこなっております。

現在文字だけとなっており、理解しづらいと思うのですが、今後少しづつ画像を付けたしアップデートしてゆきます♬

それでは、お楽しみください♪

 

肘関節

上肢のほとんどすべての動きに、 肘関節と橈 尺関節(とうしゃくかんせつ) が関与しているといっ ても過言ではありません。 この2つの関節は解剖学的にも非常に近くにあるのでほぼ同時に動き、それゆえ学習者にとっては混乱を招く場所 でもあります
さらに、橈尺関節の動きはしば しば手関節の動きとも混同されてしまいます。
したがって、みなさんはここで肘関節(肘)と橈尺関節、橈尺関節と手関節 (手首)はそれぞ れ独立した関節であることを頭に入れておく必要があります。



骨格 (図4-1)

肩甲骨と上腕骨は肘関節の屈曲や伸展に関与 する筋肉の近位の付着部となっており、橈骨あ るいは尺骨が遠位の付着部となっています。 前 腕の回内回外に関与する筋肉の近位の付着部 は肩甲骨や上腕骨および尺骨に、一方、遠位の付着部は橈骨にあります。

●関節
肘関節は蝶番関節なので、 動きは屈曲と伸展 に限られます。 この関節の動きは主に上腕骨の 上腕骨滑車と尺骨の滑車切痕の間で生じます。 橈骨の骨頭は上腕骨の小頭と接しますが、その 面積は小さなものです。 肘関節を完全に伸展す ると尺骨の肘頭が上腕骨の肘頭窩にカチッと受 けとめられ、それ以上伸展できなくなりますが、 これによって肘が完全に伸展したときの安定性 が保たれるのです。

肘関節は0°の伸展位から約140~150°まで屈 曲します。 肘関節が20°以上屈曲した状態では、 骨格による安定性がやや低下し、 肘関節は外側 と内側の方向にやや不安定となります。 したがっ て、このときの安定性は内側(尺側) 側副靱帯 と外側(橈側) 側副靱帯に依存します

尺側側副靭帯は、運動時のストレスで肘が 外反する(前腕が外側へ曲がる : 肘にとっては 正常な動きではない) のを防ぐように、内側の 支持を与える上で大変重要です。 多くのコンタ クト・スポーツ、 とりわけ投動作を伴うスポー 今では肘関節の内側面にストレスがかかるので 傷害に結びつきます。 反対側の橈側側副靭帯は 外側に安定性を与え、めったに損傷しません。 加えて、 (骨) 輪状靱帯が外側に位置し、橈 骨頭を巻き込み尺骨へとつないで、安定性を確保しています。

橈尺関節は車軸関節で、近位では橈骨頭が尺 骨頭上で回転します。 この近位での橈骨頭の回 転運動によって、遠位では橈骨頭が尺骨の周囲 を回ります。 橈尺関節において近位では、橈骨 頭は輪状靭帯によって尺骨と結ばれています。

橈尺関節は安静位から 80~90°回外し、 逆に 70~90°回内します。 また、一般的に橈尺関節 の回外 国内の動きは、 前腕の動きとして表現 されます。

○肘関節と橈尺関節の動き

肘関節の動き
屈曲 : 前腕が肩の方へ近づき、上腕と前腕の骨のなす角度が小さくなります。
伸展 : 前腕が肩から遠ざかり、上腕と前腕の骨 のなす角度が大きくなります。

橈尺関節の動き

回内:橈骨がその長軸を中心にして尺骨をクロ ス・オーバーする方向、つまり内側に回 る動き。この時、手のひらは上向きから 下向きになります。

回外: 橈骨がその長軸を中心にして外側へ回る 動き。下を向いていた手のひらが上へ向 きます。

○筋肉
肘関節と橈尺関節の動きに関与する筋肉は、 機能別に学習するとより理解しやすくなります。 4つある動きのうち、屈曲回内・回外にはそ れぞれ3つの、そして伸展には2つの筋肉が関 与します。 上腕二頭筋、上腕筋そして腕橈骨筋 は肘関節の屈筋です。 上腕三頭筋は肘筋の補助 を得て肘関節を伸展させます。 円回内筋、方形 回内筋および腕橈骨筋は橈尺関節(前腕)を回 内させ、回外筋と上腕二頭筋、 それに補助筋と しての腕橈骨筋は、橈尺関節 (前腕)を回外さ せます (図 4-4)。

後方に位置する上腕三頭筋は肘筋の助けをか りて、 肘関節の主要な伸筋をなします (図4-5)。 前腕の前方に位置する回内筋群は、円回内筋や 方形回内筋、腕橈骨筋によって構成されていま す。 主に回外筋と上腕二頭筋によってコントロールされる回外は、 腕橈骨筋によっても補助されます。

回外筋は後方に位置しています。 肘関節の筋 肉に共通するスポーツ傷害の例として、上腕骨 外側上顆に位置する (総) 指伸筋の起始部周辺 が関与する “テニス肘” があります。 専門的に は外側上顆炎と呼ばれるこの状態は、グリップ を握ったりラケットを握る動作と関連していま す。

しばしば “ゴルファー肘” と呼ばれ、あまり一般的な傷害ではない内側上顆炎は、 上腕骨内側上顆の手関節屈筋群や円回内筋の起始部周辺 に生じます。 これらの両方の傷害に関与する筋 肉は肘関節にまたがりますが、 機能としては主 に手首や手に作用します。 これらの筋肉は第5 章で取り上げます。

肘関節と橈尺関節に関与する筋肉

(位置による分類)
前方
動き: 主に肘関節の屈曲と前腕の回内
筋肉:上腕二頭筋、上腕筋、腕橈骨筋、円回内筋、方形回内筋

後方
動き : 主に肘関節の伸展と前腕の回外
筋肉:上腕三頭筋、肘筋、回外筋

●上腕筋 (じょうわんきん) 

起始
上腕骨中部前面

停止
尺骨粗面

機能
肘関節の屈曲

触診
上腕二頭筋の外側後方で触れられます。

神経支配
筋皮神経 (C5・6)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

上腕筋は前腕が回内・回外のいずれの状態に
あっても、 肘関節の屈曲に関与します。この筋 肉は回転しない尺骨に停止しているので、 前腕の動きには関係なく肘を屈曲させる純粋な肘関 節の屈曲筋といえます。

上腕筋は肘が屈曲する際には必ず働きます。 したがってこの筋肉を鍛えるには、カールや他 のエクササイズのように肘関節を屈曲させれば よいのです。 前腕回内位での肘関節を屈曲させ る動作では、 上腕二頭筋の作用がある程度制限されるので、上腕筋の働きがクローズアップさ れます。
上腕筋は純粋な肘関節屈筋なので、 肩関節を屈曲位のまま肘関節を最大伸展するだけ でストレッチできます。
前腕の筋組織そのものが肘の伸展を制限しない限り、 前腕のポジションは上腕筋のストレッチに影響は及ぼしません が、そのような場合は前腕を中間位 ( 最大回内と最大回外の中間の位置) にするのが最良の方法です。

●上腕二頭筋 (じょうわんにとうきん) 

起始
長頭 肩甲骨の関節上結節
短頭 烏口突起

停止
橈骨粗面と上腕二頭筋腱膜

機能
肘関節の屈曲
前腕の回外
肩関節の屈曲の補助

触診
上腕の前面で簡単に触れることができます。

神経支配
筋皮神経 (C5・6)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

上腕二頭筋は肘と肩の2つの関節に関与して いるので二関節筋と呼ばれますが、 橈尺関節も 加えて三関節筋と呼ばれることもあります。 こ の筋肉は上腕骨頭を肩甲骨の関節窩に接合させ、 肩の前方に動的安定性を与えていますが、 肩関 節の屈曲には補助筋としての役割しかありません。
上腕二頭筋は特に前腕が回外しているとき に、 肘関節の屈筋として大きな力を発揮します。 また肘関節が屈曲している状態では、上腕二頭 筋は前腕を回外させる強力な筋肉になります。
逆に、前腕が回内すると橈骨が回転してこの筋肉の停止部がずれるので、 屈曲力は前腕が回内すればするほど弱くなります。 カールは上腕二頭筋を鍛える優れたエクササイズです。 このエクササイズはバーベル (バー ベル・カール) でもダンベル (ダンベル・カー ル) でもできます (p.286)。 他に懸垂やロー プ・クライミングでもこの筋肉は発達します。

上腕二頭筋は多関節筋なので、最適にストレッチをするためには、 3つすべての関節が適切な位置に置かれなければなりません。
そのため、 肩関節完全伸展位で肘関節を最大に伸展させます。
上腕二頭筋はまた、 肘関節の完全伸展位で 肩関節を 70~110°へと徐々に完全水平伸展す ることでもストレッチできます。 いずれの場合 も、前腕は上腕二頭筋の最大伸張を得るために、 完全回内位にしておくべきです。

●腕橈骨筋 (わんとうこつきん) 

起始
上腕骨外側下部

停止
橈骨茎状突起(とうこつけいじょうとっき)

機能
肘関節の屈曲
回外位から安静位までの前腕の回内
回内位から安静位までの前腕の回外

触診
前腕の外側前面で触れられます。

神経支配
橈骨神経 (C5・6)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

屈曲筋としての腕橈骨筋は、 前腕が回内と回 外の中間の位置(安静位)にあるときに最も有 効に働き、 前腕が回内位や回外位にあるときは、 屈筋としてよりもむしろ回外筋や回内筋として 働きます。 腕橈骨筋の停止は橈骨の遠位骨頭 (橈骨茎状突起)にあるので、 特に負荷のかかっ た状態では屈筋として強力ですが、回内筋や回 外筋としての能力は前腕が安静位にある場合に最も弱くなります。

腕橈骨筋を発達させるためには、 前腕を安静位で固定したままカールを行うのが最も効果的 です。 また、前腕の回内回外運動を抵抗下で 可動域全体にわたって行うのもよい方法です。

腕橈骨筋は肩関節屈曲位、 前腕は最大回内位 または最大回外位で、 肘関節を最大伸展することによってストレッチされます。

●上腕三頭筋 (じょうわんさんとうきん)

起始
長頭:肩甲骨関節下結節
外側頭: 上腕骨近位の後外面
内側頭: 上腕骨中部の後内面

停止
肘頭

機能
肘関節の伸展
肩関節の伸展(長頭のみ)
肩関節の内転

触診
上腕骨の後面と外側で触れられます。


神経支配
橈骨神経 (C7・8)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング

上腕三頭筋は腕立て伏せで肘関節の伸展のた めによく使われますし、それ以外でも何かを押 すという動作で力を発揮します。 また長頭は肩 関節の大切な伸筋でもあります。

肘関節の伸展では実際には、 上腕三頭筋と肘筋が働き、 腕立て伏せでもこの2つの筋肉が大 変よく働きます。 ディッピング、ベンチ・プレス、ダンベルプレス、 それにフレンチ・カー ル (p.286) などのエクササイズで上腕三頭筋 は発達します。

上腕三頭筋は肩と肘の両方の関節を最大に屈 曲させることでストレッチされます。

●肘筋 (ちゅうきん) 

起始
上腕骨外側上顆の後面

停止
肘頭外側面

機能
肘関節の伸展

触診
肘頭の後外側で触れることができます。

神経支配
橈骨神経 (C7・8)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
肘筋の主な機能は、 肘関節の伸展中に肘関節 の関節包が関節内に引き込まれないように、 関 節包を引っ張って常にテンションをかけておく ことです。 この筋肉は上腕三頭筋と一緒に肘関 節を伸展させるので、鍛えるためには上腕三頭筋と同じエクササイズをします。

肘関節を最大に屈曲させれば、 肘筋はストレッ チできます。

●円回内筋 (えんかいないきん) 

起始
上腕骨内側上顆と尺骨の鈎状突起の内側

停止
橈骨中央よりやや近位の外側

機能
前腕の回内
肘関節の屈曲補助

触診
前腕上部の前内側で触れられます。

神経支配
正中神経 (C6・7)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
円回内筋は肘関節の屈曲に伴って、前腕を回内するときによく使われます。この筋肉を鍛えるには回外筋と同じポジションでエクササイズ をしますが、 前腕は回内させます。

円回内筋をストレッチするには、前腕を完全 に回外位とし、 肘関節を完全伸展します。

●方形回内筋(ほうけいかいないきん)

起始
尺骨の遠位前面

停止
橈骨の遠位前面

機能
前腕の回内

触診
触れることはできません。

神経支配
正中神経(C6.7)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング
方形回内筋は上腕三頭筋とともに働き、 肘関節の伸展に伴って前腕を回内させます。 たとえばドライバーでネジを回してはずすときには、 肘関節を伸展させながら前腕を回内方向に回しますが、この動きで特に方形回内筋が使われま す。
また、ピッチャーがシュート・ボールを投 げるときにもこの筋肉が使われます。 この筋肉を鍛えるには円回内筋で応用したエクササイズが最適です

方形回内筋は、パートナーが手首をつかんで 他動的に前腕を強く回外させることで最もよく ストレッチされます。

●回外筋(かいがいきん)

起始
上腕骨外側上顆と尺骨近位後面

停止
橈骨近位の外側面

機能
前腕の回外

触診
触診できません。

神経支配
橈骨神経(C6)

機能解剖、 筋力強化、ストレッチング 回外筋はたとえば、ドライバーでネジを回し て締めつけるような、 肘関節の伸展と前腕の回 外が同時に必要となるときに、 特によく働きま す。 投球でもカーブを投げるときには肘関節が 伸展しながら回外するので、この筋肉が使われ ます。 肘関節が屈曲している状態では、 上腕二頭筋が前腕を回外させる筋肉としてよく働くので回外筋はあまり使われません。

この筋肉を鍛えるには、テーブルに尺側が下 になるように前腕を置き、 手首から先をテーブ ルから出します。 次に柄の長いハンマーをハン マー・ヘッドが床の上になるように握り、前腕を回外させます。 柄の長さをより長くしたり、ハンマー・ヘッドをより重くすることで負荷が大きくなります。

回外筋は前腕を最大回内させれば、ストレッ チできます。

 

 

 

これらが肘関節に対する機能解剖学の全体像です。最初はとても複雑だと思うのですが、筋膜リリース資格講座を通してこれらの内容の復習してゆきますので大丈夫です(^^♪

生理学的、理論的に筋膜リリースをしっかり学びたい方、は是非「日本IASTM協会」の講座を取ってみてください♪
 
 
上記を何となく知っているだけでも、筋膜リリースの効果をより高める事が可能となります。
ご自身で身体を動かしながら、どこにその筋肉があるのかを練習してみると覚えやすいです♬
 
筋肉の位置や関節運動は暗記するものではなく、使っていくうちに段々と覚えていくものとなります♬
基礎講座であるIASTM資格セミナーでは、機能解剖学の説明をおこないながら実技が進んでゆく為、一日で全体像が覚えられますよ♪
 
「全て暗記してからでないとセミナー参加が不安」などと思わなくて大丈夫です♪
 
筋膜リリース上級講座内でも復習しますし、期間も約2か月で行なっていきますので、その2か月内でご自身の成長を楽しんで頂けると良いかと思います♫

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